クロスカブの車体色は悩んだすえに「安全な色」を選択

随想Log

最終的にはイエローのクロスカブを買ったのですが、たぶんあまりない考え方で決めたので、その時の脳内模様記録です。

新型も旧型もクロスカブは3色

クロスカブには私が購入した2017年時点で3種類の色がありました。赤、黄、黒の3色です。

正確な呼び名は下記の通りです。なお、2018年2月に発売された現行型のクロスカブは、旧型の110ccに加えて50ccがラインナップされたことに加え、車体色も若干の変更があります。新型の色も併せて書いてみます。

旧型(2013年型)クロスカブの3色

  • 赤:ファイティングレッド
  • 黄:パールコーンイエロー
  • 黒:ボスグレーメタリック

新型(2018年型)クロスカブ110の3色

  • 赤:マグナレッド
  • 黄:パールシャイニングイエロー
  • 緑:カムフラージュグリーン

110ccに絞れば、旧型と新型の違いは、グレーの代わりにグリーンになったことでしょうか。いやー、この緑色、結構かっこういいです。その他、細かい色名が変わっている事から分かるように、同じイエローでも結構印象が違います。あくまで主観ですが、新型の方がアクティブな印象を受けます。

それはさておき、私が購入する段階では、新型の発売が囁かれていたものの正式なアナウンスはなく、選択肢は旧型のみでした。

三色どれも魅力的

正直、どの色も格好いい。

赤はなんだか、自分の中で「これぞカブ」みたいなハマッてる感じがあります。「郵便屋さんみたい」という評価もあるようですが、自分には全然違う色に見えます。郵便屋さんよりも全体的にポップな感じがすると言うか、少なくとも自分には別物に見えます(郵便バイクの赤い箱でも載せてレッグシールドを白くすれば話は別かも)。

しかし、黄色もいい。黄色については、時折街を走っているクロスカブに遭遇することがあり(おそらく通勤経路なんでしょう、朝の決まった時間に遭遇することが多い気がします)、すぐに目が行きます。

いやでも、自分の年代を考えると一番地味なグレー(ボスグレーメタリック)か、とも思ってしまうわけです。全体的に締まった印象で、一番好きな感じです。このボスグレーメタリックはクロスカブが赤と黄で発売された約1年後に追加された新色です。もっとカラフルな展開を予想していたのか、巷では「ビジネスバイク風」(でツマラナイ?)という評価も多いようですが、私は好きです。

つまり、3色それぞれ格好いい。どれを買っても後悔はしないと思うけれど、悩ましい。

色と安全

ここで脳裏をかすめるのは「安全最優先」コンセプトです。これを忘れるわけにはいきません。

安全 > > > 格好良さ。この基準はどうしても捨てられない。捨ててはいけない。

自分の運動神経や運転技術がほぼゼロ、という点には自覚的であらねばならない。多少なりとも安全性が高い選択肢があるなら、そっちを優先せねばならんのです。別に誰に強制されたわけでもないのですが。

路上における色と安全性の関係を調べた実験と意外な結果

色と安全性の関係は? 私の頭にあるのは、車からの視認性です。黒、赤、黄色のどれが視認性が高いかというと、「遠くからでも存在を認めやすい色」という調査結果があります。バイク買取専門店「バイク王」を展開するバイク王&カンパニーという会社がやった「夜間の安全と色彩に関する実証実験」の結果です。

詳しくはリンク先でご確認頂くとして、簡単に実験を説明すると次の4段階(で合ってるはず)です。

  1. ピンポン球を15色に塗装
  2. 暗い道路を想定した場所で、観察してる人を配置
  3. 遠くから1コずつ近づけていく
  4. 観察してる人がピンポン球の存在に気付いた距離を記録

夜間の視認性を確かめる実験なので、見やすければ遠くでも存在に気付くし、見づらい色なら近くまでこないと分からない。距離の数字が大きい=遠くでも見える=視認性が高い、という解釈になります。

このページによると、1位が蛍光イエローで平均視認距離が47.5m、2位が白で47.1mとなっています。黒はというと、最下位(15位)で、9.5m。

蛍光イエローと黒の差は約5倍!

より遠くから早く気づいてもらったほうが、お互いに安全なのは自明。ちなみにクロスカブの車体色であるイエローは、第4位の43.7m。意外だったのが目立つと思っていた赤が、第11位の21.1mということ。黄色の約半分。

これを元にクロスカブの3色を書き出してみると、こうなります。まったく同じ色ではないのですが、そのあたりは大体同じでいいことにします。

  • 4位:黄(43.7m)
  • 11位:赤(21.1m)
  • 15位:黒(グレー:9.5m)

この調査は「夜間の一般道」を想定した照明環境で行われています。購入前から(そして購入した現在でも)なるべく夜は乗らないようにしようと考えています(し、実際そうしています)。

しかし「帰りは夜になってしまった」という事態も容易に想像できます。夜になったから帰るのやめる、とはいかないわけで、そうすると多少なりとも安全に配慮したものが望ましい。普段の生活では極力存在を消している私ですが、路上では我が身を守るためにそうも言ってられません。

警戒色

思い返せば、踏切の模様は黒と黄色です。工事現場に貼ってあるロープも、黒と黄色。この組み合わせは警戒色と呼ばれるそう。

まず、黄色と赤色は、人間が本能的に危険を感じる色だそうで、これは納得できます。信号の組み合わせもそうですね。

また、黄色と赤色は進出色と呼ばれて、手前に浮き出て認識される傾向がある色。これに対して黒は進出色の反対で後退色と呼ばれる、奥に引っ込んで見える色。この組み合わせだと、2色のギャップが大きくなって、より認識されやすい、という理屈があるそう。黒と黄色の組み合わせがなぜ「目立つ」かというと、進出色と後退色の組み合わせになっているからなんですね。

クロスカブのパールコーンイエローは、他の部分は黒。警戒色のそれなら、搭載予定の箱も黒にして、黄色いテープをベタベタと貼れば、より目立つ色ができあがる。なんかスズメバチみたいになりそうですが(彼らも「食べると不味いよ? 毒持ってるよ??」というメッセージをあの色で示しているそう。色とかそれ以前に羽音がもう怖いけど)、目立つならそれでオーケーとします。

そう、すべては安全のために。

黄色に決定

最終的にこんな理由で車体色を決める人がどれくらいいるのか大いに疑問ですが、とにかく安全性という要素に少しでも貢献してくれるなら、と黄色に決定しました。

しかし旧型時代もそうですが、新型になっても3色それぞれ格好いい! 買うタイミングが半年ずれて新型の中から選んだとしても、同じように悩んだのは間違いありません。

もっとも、こんな経緯で決めたわけですが、最初に書いたように3色とも魅力的だったのでまったく後悔はありません。黄色のクロスカブ、めちゃくちゃ気に入ってます。黒いレッグシールドとの組み合わせも、少なくとも自分にとっては格好良い! 景色にも映えるイエローのクロスカブ、お気に入りです。