ライディングシューズにエルフのシンテーゼ13(elf synthese 13)を購入

道具Log

クロスカブ要するにスーパーカブで、これに乗るための靴なんてわざわざ必要? ライディングシューズなんてもっと排気量の多いバイクに乗る人のためのものでしょ? それこそ普段着でササッと乗るのがカブなんじゃないの? とお考えの方はおそらく多く、というか一般的だと思われます。むしろそこまで考えずに「日常の足」とするのが普通だと思います。

しかし生来のビビリであるサイコロ、最低限は備えたぞという気持ちだけでもの安心感が欲しいなと思ってしまい、クロスカブに乗るのにライディングシューズを購入しました。

(なお、この記事は約2,000km程着用した後で書いております)

background(いきさつ)

inception(発端)

最初にも書いたのですが、生来のビビリ、小心者です。石橋を叩いて結局渡らないタイプです。そんな性格のためか、免許を取る前からサイトで様々な事故を予習し、恐怖感ばかりを募らせていました。よくそれで免許とってクロスカブ乗ったなと思われるかもしれませんが、自分でもそう思います。

そんな中で「コケると踝(くるぶし)が削られる」という恐ろしい文言をよく目にしました。バイクに乗ったことがなくても、そこは確かに削れるだろうね飛び出てるし、と簡単に想像できます。想像できるがゆえの恐怖。

もちろんそういった記事を書いている方の多くは、もっと排気量の大きなバイクで、速度域も速く、また重量の重い車体を操る、いわゆるライダーと呼ばれる方々なのはわかっています。

しかしクロスカブ、スーパーカブと言えども、エンジンのついた乗り物で、人力では出せない馬力を持った乗り物です。これでコケたら絶対に痛いだろう、というのも想像できます。その調子でプロテクター付きのウェアや膝のガード(いわゆるニーシンガード)も購入したのですが、併せてかなり強い気持ちで「買わねば」と思ったのがライディングシューズでした。

Bitly

choosing and buying(品定めと購入)

とりあえずどんなのが欲しいかと考えて出てきたのが「履きやすさ」「最低限の防御力」「適度な値段」の曖昧な3つの条件です。

そもそも、ライディング・シューズの選び方がわかりません。

イメージでネットを眺めて探していたところ、行き当たったのがコミネというメーカーのショートブーツ。これが良さそうだと最初は考えましたが、残念ながら近隣に試着できるお店が見当たらず(そもそも近隣にバイクショップは2件のみなのです)。

ライディングシューズというこれまで履いたことのなりジャンルの靴だったため、通販で買うのは少々勇気が必要でした。というわけで、バスを乗り継いでバイクショップに行ってみることに。

お店に置いてあるメーカーを見て、良さげなものを控えて帰宅し、再度ネットで検討します。やっぱりコミネが良いんじゃない? と最初に戻ったりもしつつ行き着いたのが、エルフ(elf)という会社のシンテーゼ(Synthese)というシリーズでした。

エルフというメーカー、1967年創業でバイクの分野では非常にメジャーなところのようです。モータースポーツの分野で技術を蓄積してきたことがメーカーのWebページに書かれています。本来はオイルのメーカーみたいですが、靴は靴でまた別のWebページがあり、きっとシューズにも相当に力を入れてるメーカーということで間違いないだろうな、と勝手に確信しました。

このメーカーのシューズは、ライディング用として本格的なものも多数ありますが、シンテーゼ・シリーズは見たところ値段的にも機能的にも日常寄りというか「普段遣い想定」の製品ラインに思えます。

値段は基本的に2万円以下、1万円前後のものもあります。品番は(数字の根拠がよくわからないのですが)この記事を書いている時点で12、13、14、15と4種類あるようです。

番号に関わらず基本的な機能、踵(ヒール)と踝(アンクル)のプロテクター、ロゴのリフレクター、通気性のための開閉できるベンチレーション(15除く)などはだいたい共通。

それ以外の違いで気になる点をまとめると、ハイカットかローカットか、どうやって固定するか(面ファスナーかバックルか)、そしてメッシュや防水といった機能の有無です。シンテーゼ12が基本モデル、そのローカット版が13、防水版が14、メッシュ版が15、という位置づけだと理解しました。まとめると下の表のように。

製品No.カット固定その他税別価格(調査時)
12ハイカット面ファスナー¥13,000
13ローカット面ファスナー¥12,000
14ハイカットバックル防水¥17,800
15ハイカットバックルメッシュ¥16,800

結局、ローカットモデルであるシンテーゼ13を試着して、そのまま購入しました。サイズについては、普段の靴が25.5cm。最初に試着したのはそのまま25.5cmでしたが、ピッタリでした。ただしぴったり過ぎるほどピッタリで、よしと思っていたら店員さんからアドバイス。

冬場は厚めのソックスを履くこともあるし、多少大きめを選ぶことをお勧めします。もちろん好みはあるのですが

結局、ワンサイズ大きい26.0cmを購入しました(結果としてこれは正解。ゆとりがあるので、疲れにくいようにも感じています)。

購入価格は\10,800(税込み)。ネットで買えばもうちょっと安くは買えたのですが、下調べさせて貰ったときからここで買うつもりだったことに加え、試着した際の店員さんの対応が素晴らしく良かったので、もはや迷うことなくそのまま購入です。カラーは、ブラックを選択。本当はクロスカブの車体色に合わせてイエローがいいかな、なんて思っていたのですが、店頭在庫がなかったために、無難な色を選びました。

review(詳細)

unboxing(開封)

開封、とわざわざ書くこともなく、普通の靴箱に入っています。
暗いところで撮影すると(ちょっとわかりにくいかもしれまえんが、白く光ってる部分です)、安全のための反射材が埋め込まれています。多少は夜の視認性を高めてくれるのでは、と期待できます。

feeling(使用感)

翌日、さっそく履いてクロスカブにまたがり試走ました。

脱ぎ履きはローカットだけあって、非常に楽です。普通の靴とほとんど変わりません。スニーカーに比べると多少重たいのですが、歩いても違和感はありません。数十分の買い物程度なら、まったく問題ないと感じました。

バイクに乗ると、底が平らなせいなのか、ステップに足がうまく収まりいい感じ。靴の重みも手伝って、シフトを踏み込むのが若干楽になった気がします。気のせいかもしれませんし、いわゆるマニュアルミッションの「掻き上げる」動作がないので靴の機能を十分に活かしているとは言い難いのですが、それでも専用に作られたものというのは違うな、と感じます。

何よりも、くるぶしが守られているという精神的な安心感が非常に大きい。これは想像以上でした。ハイカットもしくはブーツタイプと比較したら、もちろん防御力は劣るのでしょうが(そして、実際に防御力がどうなのかは絶対に試したくありませんが)、普通のスニーカーとは段違いです。

ただ、ベンチレーション機能を開いて走っても、風が抜ける感じはあまりよく分かりませんでした。ヘルメット(OGKカブト AEROBLADE-3)のベンチレーション機能は明らかに風が流れているのを感じるのですが、それと比較すると全くといって良いほどなにも感じません。

と、ここまで書いて「これはもしや、カブ特有のレッグシールドがあるからでは?」と思い至りました。後日、対向車がいない広めの道路で足を外に出したりすると、微かに風が入ってくるのを感じました。ベンチレーションの穴もしっかりと機能しているようです。これは普通のバイク(ネイキッドとかツアラーとかレーサーレプリカ、というのでしょうか)であれば、もっとはっきり分かるのではないかと思います。

というわけで、レッグシールドのついたカブタイプでは夏場のベンチレーションの恩恵には若干預かりきれない感じですが、それでも機能としては良いものかと。夏場もずっとこのシューズでしたが、蒸れることはありませんでした。また、冬場もベンチレーションを閉じてしまえば、むしろスニーカーより温かいくらいです。あくまでクロスカブの速度域ですが、通年使用は余裕で可能でした。

pros and cons

pros(良いところ)

  • 価格。ライトユーザーの自分にとってコストパフォーマンスは良いと思う(定価\12,000)
  • 履きやすさ。脱ぎ履きが非常に楽。またマジックテープでしっかりと締まるので、脱げる心配もなし
  • 防御力。ローカットタイプとはいえ、踝(くるぶし)が覆われる安心感は大きい

cons(イマイチ)

  • あえて書くなら、バイクを降りて1時間以上歩いた時には、スニーカーよりも疲労感を感じる

おわりに

一応、cons(イマイチ)なところも書きましたが、2,000kmほど乗っている間に、履いてて不満は特にありません。また、防御性能を実際に試したことはありませんが、これはその機会が訪れることなく履きつぶすことを心から願っています。

シンテーゼ13、見た目も大げさではなく、必要な保護があって、バイクを降りて歩き回ってもほとんど違和感なし。とても気に入っています。

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