昔バイクに乗っていた人がしばらく乗らず、再びバイクに乗るようになる。そういう人をリターンライダーというそうですが、四十路に入ってからバイクという乗り物に初めて関心が向いた、という人間です。なぜバイクに、というあたりを書き残しておこうと思います。バイクに乗る、バイクを買う決断をするまでに、結構な紆余曲折がありました。まずはその1.私とこれまでのバイクの関係です。自己紹介みたいな記事です。
人生に無縁だったバイクという乗り物
いきなり終わってしまいますが、バイクにこれまで乗ったことはありません。クロスカブが人生で初めての(もしかしたら最初で最後の)バイクです。カブはバイクではない、という御意見もあるようで、それはそれで何となく頷ける考えも多いのですが、ここはひとまずはバイクということで話を進めさせて下さい。
そんなわけで、バイクに乗ったことがなく、これまでの人生で乗ったことがある二輪車といえば、基本的に自転車のみ。いわゆる「原チャリ」にも乗ったことがありません(ここまで行くとむしろ珍しい??)。
そういえば一度バイクに乗ったことはあった。けど・・・
あ、これを書いててふと思いましたが、一度だけバイクにまたがって走ったことがありました。
高校2年生だか3年生の時に中学校の同窓会(というほどでもなく、集まれる人で集まってファミレスで飯でも食おう、的な)がありました。そこにバイクでやってきた友人に「乗ってみなよ」と言われて、店のだだっ広い駐車場でおっかなびっくり乗らせてもらったのです(厳密にはダメですが、さすがにもう20年以上前のことなので時効ということに……)。
なんというバイクだったか正確にはわかりませんが、ネイキッドと呼ばれるタイプだった気がします。今でも思い出せるのは「左手で握ってるのをゆっくり離せば走り出すから」というアドバイスをもらったこと。自転車しかのったことがない身としては、バイクとは右手を回すと進むもの、と勝手に理解していたからです。完璧に間違ってるわけではありませんが、当時は「クラッチ」という単語すらしりませんでした。それで、ヘロヘロと4メートルくらい走り、転びそうになって支えてもらってバイクを降りた記憶があります。
なんか仕組みがよく分からないし怖かった、という記憶しかありません。その後でバイクに乗りたいと思わなかったことからも、あまりポジティブな感想はなかったのでしょう。バイクに乗ったのは、後にも先にも、それだけです。そういえば、人の後ろに乗ったこと(いわゆるニケツ)もありません。
興味がなかったのか? これは自分でも不思議に思いますが、まったくありませんでした。生来の出不精というか、まあ乗らなくても良いか的な。バイクに関する話題がゼロだったかというと、その頃は漫画の回し読みで「特攻の拓」とか流行ってましたし、上述のように乗ってる友人・知人もいました。でも免許取ろう、とかは全く思わず。
もっとも、仮に乗りたいと思っても、両親の許可は決して得られなかったと思いますが。真面目だったんですこれでも(笑) 母はバイク=危ない、という認識。父は昔乗っていたようですが、やはり危ないと言っていた記憶があります。反抗してまで乗りたいとまでは乗りませんでした。
とにかくそんなわけで、人生の中で「バイクに乗る」という選択肢はありませんでした。四国に移り住むまでは。
車も持ってない
それから、バイク購入を検討する遠因ではあるのですが、車も持っていません。免許は持っています。しかし取得してからおよそ20年、ほぼ完全なペーパードライバです。
なぜ車に乗らなかったのかというと、これまでは幸いにも、持って無くてもなんとかなったから、に尽きます。
免許を取得してからの約20年を、関東某県のどちらかというと都会で過ごしてきました。移動は公共交通機関でことが足りました。インドアであまりアクティブな性格では無いことも手伝ってか、車を買ってどこそこへ行こう、みたいな発想にも本当に一度もなりませんでした。
愛媛はそれまで住んだ都市部とは違った
ひょんなことから四国は愛媛県に来ることになりました(この「ひょんなこと」はどうしようもない話なので、また機会があれば・・・)。
最初は何も違いがわかっていなかったのです。車かぁ、別に無くてもいいかなぁ、バスで通勤できるところにアパート借りたし。そう思ってました。そのことを上司に告げると、次のようなお言葉が。
ふーん、まあ頑張ってみたら
「まあ、とうてい無理だろうけどね」的なニュアンスを感じたような気がしないでもなかったのですが……。
とにかくそんな感じで、自転車と公共交通機関で別にいいだろうと生活が始まります。
職場まではバスで30分ほど揺られればつきましたし、時々は自転車を走らせて通ったりもしました(自転車だとけっこう遠い)。1年目は通勤も含めて色々と慣れるのに必死。そして、新しい環境にもようやく慣れてきたあたりで、はっきりと分かりました。
ふーん、まあ頑張ってみたら
という上司の言葉の意味に。
愛媛は決して都市とは言えない、少なくとも自分がかつて住んでいた所とはずいぶん違うことに。
(続く)