バイクがほしい、クロスカブだ、と決めていたものの、どうにも決意がつかない。やはりそれなりの額を一気に払うことになる点や(別に分割でも良かったのですが、なんとなく)、バイクはもとよりエンジンの付いた乗り物がある生活が想像できなかったからだと思います(仕事があれこれ立て込んでいたのもあった)。買いに行ったのは、免許を書き換えて乗れる立場になってから3ヶ月ほどたってからでした。
人生初のバイク屋へ
意を決して向かったバイク屋は、以前から「買う時はここ」と決めていた店でした。
自宅からはちょっと離れており、もっと近いところにホンダを含めいくつかバイク屋があったので、別に離れたところで買う必要はないと言えば無いのですが。
ではなぜその店にしたかというと、店のホームページを見たときの「軽い」ノリが、バイク屋というこれまでまたいだこと無い世界への敷居を下げてくれていたからです。他にも、どうやら店主がカブ好きらしいことも、ここで買いたいと思った理由の一つです(実際にお店を訪問した際にお話を伺っていると、カブはカブでも「私は50cc派なんです」とのことでしたが)。
バイク屋のなんたるか、みたいなものは全くわかりません。しかし素人にとっては「とっつきやすそう」とか「話を聞いてくれそう」というのは非常に大きい。特にバイクのように、その後の整備やらなにやらで関わることが明らかなものは、なおさらです。
ネット上では買ったバイク屋がイマイチで、みたいな話も散見するし、もちろん行ってみなければ実際のところはわからないのですが、ここは自分の直感を信じようと。
いざ、人生初のバイク屋に入店
意を決して入店! ところが入ってみると、人がいません。
よく見ると奥でなにやら来客対応中。点検かなにかでバイクを持ち込まれた方と話をしていました。どう振る舞って良いのか分からず、コミュ障オーラを存分に撒き散らしながら、しばらく店内のバイクを眺めていました。
すると、「何かお探しですか?」と中年の男性に声をかけられました。お店のHPから受けた印象と変わらない、気さくな感じだったのでホッとしたのを覚えています。
とはいえ初めての世界に緊張はしており、なんとか口早に「バイクがほしい、クロスカブを考えている、バイクを買うのは初めてなのでどんな手続きが必要か正直よくわかっていない」といったことを伝えた気がします。
店員さんは笑顔で「クロスカブなら・・・」と対応してくれました。
憧れのクロスカブと対面!
「クロスカブなら3色とも在庫があります。ちょっと見てみましょうか」と奥へ。
えらくあっさりと現物にたどり着きました。教習所のバイクに比べると、ずいぶんと違って見えます。
おー、これがクロスカブかー、と眺めていると「またがってみます?」と、これまた軽く言われました。周囲にバイクあるし倒したらどうしようとか一瞬迷ったものの、お言葉に甘えることに。
またがった第一印象は「おもったより大きい」でした。シートの幅がひろいせいなのか、ハンドルと座席の位置関係なのか、教習所のバイクよりも視点が高く、ずいぶん違う感じでした。
第二印象は「意外と足がつく」です。ネットでさんざん足つきについて読んでいたため結構心配していたところでした。身長174cmで、胴長短足日本人体型の私がまたがると、足指の付け根までは確実に着いて、カカトはつかない状態。背伸びをした状態からかかとの高さを半分にした感じといえばいいのか、文章で書くのは難しいのですが、とにかく両足で車体を支えられる状態で安心しました。
足の裏をべったりつけるには、車体を傾けるか、お尻をシート状でどちらかに動かさないと無理という感じ。いずれにしても、思っていたよりは良い感じです。
もうこの段階で「やっぱり欲しい! 買う!!」と迷いは完全に吹っ切れていました。
黄色をやたらとプッシュされる
この時またがらせてもらった車体色は黄色でした。
またがる私をみた店員さん、「いやー、黄色が似合いますね! レジャーメインなんですよね? 黄色の明るい感じが良いですよ」と、やたらとイエローをプッシュしてきます。
その後、グレーも見せてもらい(地味だけど渋くてよい色だった)、赤もじっくり眺めて(おもったより郵便局色ではなく、もっと明るくてこれまた良い色だった)、でも店主によれば、やはり「黄色が似合う」そうです。
買うなら黄色かな? と思ってましたが、もう迷うこと無く「黄色下さい」ということに。
そのまま購入手続き
そのまま購入手続きです。バイクってどうやって買うんだろう? と思ってましたが、そこは店員さんが丁寧に説明しつつ、手続きを進めてくれました。こちらの不安感を先回りするような対応に、やっぱりこのお店にしてよかったなぁと一安心。
納期とかどれくらいかかるんでしょうか? と聞いたところ「現物があるので、極端なことを言えば今日でもできますけど、ナンバーとかの手続きで最短明日でしょうか」とのこと。
あとは任意保険の見積もりも出してもらい(ネットなどでもっと安いところもあるのは分かっていたけど、お店に方がなんとなく安心だった)、準備が出来たら連絡します、ということでしばし雑談をして店を後に。
妙にあっさりと買えてしまった驚きと、本当にバイクのある生活を始めるのだという妙な高揚感と、自分がバイクに乗って大丈夫かと改めて襲ってきた不安がないまぜになった妙な感覚を抱きながら帰途へ着きました。